AIR RAID2017.04.15

Line-Up:
ストームチャイルド (guitars)
ロブ・サンダーボルト (bass)
アーサー・W・アンダーソン (vocals)
ジョニー・ナイトシュレッダー (guitars)
デイヴ・デストラクター (drums)

Discography:
2011 Demo
2012 Danger Ahead (EP)
2012 Night Of The Axe
2014 Point Of Impact

Biography:
今日、スウェーデンという国は、世界のメタル・シーンの中でも最も活力に満ち、重要な鍵を握る国や地域の内の1つだと言えるだろう。そしてそんなスウェーデンの中でも、首都ストックホルムと並んで数々の有力なメタル・バンドを生み出してきたのが、国の南西に位置する港湾都市、イエテボリだ。のちに一時代を築き上げ、「イエテボリ・スタイル」なる言葉をも生み出すことになる至宝AT THE GATESをはじめ、JERUSALEM、IN FLAMES、HAMMERFALL、DIMENSION ZERO、DRAGONLAND、HARDCORE SUPERSTAR、SISTER SIN、また、事実上活動休止状態にありながらも今なお強固な支持基盤を持つLOST HORIZONなど、その数の多さだけでなく個々の質も高い。各者が示す音楽性こそ多岐に渡ってはいるものの、一貫して「HR/HMへの真の情熱」を備えている、という共通項がそこには存在する。今この世界有数のメタル・シティ、イエテボリを根城にまた1組、次世代を担うバンドが攻勢を整えつつある。近い将来、上述のバンド陣に続いて記されることになるであろうその名はAIR RAIDだ。ここ日本国内でも知る人ぞ知る有望株として、昨今の必聴リストへの仲間入りを早くも果たしている。

発端は2009年に遡る。ストームチャイルド<g>とジョニー・ナイトシュレッダー<g>の2人のギタリストによって結成されたAIR RAIDは、数回のメンバーチェンジを経てロブ・サンダーボルト<b>、デイヴ・デストラクター<ds>からなるリズム隊、そしてギリシャのEVENT HORIZON Xなるバンドにも籍を置くミハリス・リナカキス<vo>をフロントマンに据え活動を開始した。(なお左記バンドは現在、ミハリスの実質的なソロ・プロジェクトになっている。) メイン・コンポーザーを務めるストームチャイルドは、「俺とジョニーは共にオールドスクール・メタルのファンだったから、AIR RAIDがそういったスタイルのバンドになることは明白だった。」と話す。

2011年になって、バンドは初のデモ楽曲2曲を発表。この直後に、アメリカ・カリフォルニア州を拠点とし、とりわけオールドスクール・サウンド・ファンの間で強勢を誇る『StormSpell Records』からアプローチを受けた。アンダーグラウンドでも好評を博しているレーベルだったこともあり、バンド側もすぐにオファーを快諾したという。こうして、続く2012年4月には先のデモ楽曲2曲を含む7曲入りのミニ・アルバム「Danger Ahead」を、さらに12月にはファースト・フルレンス・アルバム「Night Of The Axe」を同レーベルからリリース。これらの作品がメタル・ファンの間で話題となるのにそう長い時間はかからなかった。各地でソールド・アウトが続き、ここ日本でも多分に洩れず、早耳層がこぞって輸入盤を買い求めたため専門店でも品切れ状態となった。今では二作共に入手不可となっている。(なお2014年9月現在、再発の目処は立っていない。)まさしく破竹の勢いを見せた彼らは、続く2013年4月にはドイツにて開催された伝統的メタル・フェス『Keep It True』に参戦。LIEGE LORD、WARLORD、POSSESSED、ANGEL WITCHら古参のベテラン勢が揃い踏みする中、オールドスクール・スタイルの若き継承手としてオーディエンスに強烈なインパクトを残していった。その後も短期間のヨーロッパ・ツアーを行い、ドイツに加えてオランダ、ギリシャなどへ精力的に足を運んだ。

ところがその直後、全くの順風満帆に思えたAIR RAIDにも一大転機が訪れる。ヴォーカルのミハリスがバンドを去り、後任としてミハリスとは掛け離れた声質の持ち主であるアーサー・W・アンダーソンの加入が決まったのである。これはバンドにとっても決して容易な決断ではなかったと、ストームチャイルドは苦難の時を振り返った。「俺達は皆アーサーの声がとても好きだから、彼がヴォーカルになってくれて凄くエキサイトしているよ。前任のミハリスと活動を継続できなかった理由は、個人的な意見の相違や口論が大きくなっていたためだ。そんなことばかり続けている訳にはいかなかったし、まあ、なるべくしてなったようなものさ。ミハリスの歌には幾らかポール・ディアノ風なところがあった。アーサーはもっと高い声域を持っていて、ミハリスとは全く似つかないんだよ。『Night Of The Axe』は所々に少しだけACCEPTのような風合いがあったけれど、そうなった理由は彼の歌唱法によるところが大きかったね。」

バンドの第一印象を決定しかねないヴォーカリストの交代、という試練を経て再スタートを切った彼らは、新たにドイツのヘヴィ・メタル・レーベルである『High Roller Records』と契約を結んだ。母国スウェーデンにて若干数のギグをこなした後、同年11月には『Japanese Assault Fest 13』出演の為に早くも初来日。今ではオフィシャルSNSページ上でも日本人ファンとのやり取りを頻繁に公開するなど、確たるファン開拓を成功させた。「空襲」の意味を持つその名が示す通り、AIR RAIDは遠く離れたここ日本のメタルヘッズまでにも、大きな衝動と刺激をもたらしたのである。

本作「Point Of Impact」は、アーサー加入後、かつレーベル移籍後の第一弾タイトルとなるもので、『SkullFest』などのフェス出演と並行して制作された意欲作だ。前二作から大きな進歩を遂げたと自らも手応えを認めるストームチャイルドは、以下のように続ける。「今回のアルバムは全体的によりメロディアスになったし、例えば『Night Of The Axe』なんかと比べると曲作りの面ではかなり向上したと思う。アーサーはよりハード・ロック風の声質だけでなく、雰囲気までをも持っているんだ。だから俺達が曲作りをする時にも、それが自然と反映されていくのさ。大部分は俺が曲を書き、ヴォーカルのメロディも考える。歌詞は俺とベーシストのロブの二人で書いているけどね。」
なお、ジャケットを手掛けたのは、過去にAGENT STEEL、OMEN、ANVIL、NUCLEAR ASSAULTなど多数の作品に携わったことでも知られるエアブラシ・アーティスト、ジェラルド・マクラフリンだ。こうしてバンドの意図通り、サウンドといいアートワークといい、80’sへのオマージュが全面的に感じ取れる作風に仕上がった。

「あなたが個人的にベストだと思う若手バンドは?」という質問に対し、STEELWINGやSKULL FIST、そしてAXXIONらの名前を挙げた上でさらに、ストームチャイルドは自らのバンドの存在意義をこう語っている。
「スウェーデンの中でもオールドスクールの真の信奉者というのは少数派で、若いバンドがそういったスタイルを演奏するのは決してポピュラーな事じゃない。オールドスクール・スタイルを掲げ持つバンドは決まって、スウェーデン以外の、たとえばドイツや南ヨーロッパ、日本といったところで、主なファンベースを築き上げているんだ。クラシックなサウンドを時代遅れだとみなすメディアもあるけれど、今やこのムーヴメントはアンダーグラウンド・シーンで日ごとに成長を続けている。願わくば、より多くの人たちが80’sメタルの素晴らしさを再発見する旅に向かうきっかけとなれたら、それは最高なことだよ!」

日本中の、いや世界中のメタル・ファンにとって必携品となりうるこの「Point Of Impact」の国内盤は、来る11月、ボーナス・トラック1曲を加えてSPIRITUAL BEASTより発売される。
バンドは近くヨーロッパを広範囲にまたぐツアーを断行予定とのこと。また本作の内いずれかの楽曲のミュージック・ビデオを制作する計画もあるといい、プロモーション活動にも積極的な姿勢を見せている。

スウェーデンはイエテボリが放つ若き5人組エースの快進撃。是非ともリアルタイムで体感してもらいたい。

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