ULTRA-VIOLENCE2017.04.14

Line-Up:
ロベルト “ロバ” ディマーシ (Bass)
シモーネ・ヴェッレ (Drums)
ロリス・カスティーリャ (Vocals, Guitars)
アンドレア・ ヴァキオッティ (Guitars)

Discography:
2012 Wildcrash (EP)
2013 Privilege To Overcome
2015 Deflect The Flow

Biography:
鬼才スタンリー・キューブリック監督が1971年に発表した『時計じかけのオレンジ』といえば、近未来のディストピアを舞台に描かれた名作SF映画の一つとして広く知られており、4人の若者が暴虐の限りを尽くす序盤の描写は当時世界中で多くの論争を巻き起こした。そんな同作をオマージュしたジャケットが強烈なインパクトを放つ「Deflect The Flow」は、イタリアの新星スラッシャー、ULTRA-VIOLENCEがこの度解き放つセカンド・アルバムだ。バンドのフロントマンであるロリス・カスティーリャ<vo/g>はかつて自らの音楽性を訊かれ、こう断言していた。「確かだと言えることは唯一つ。真に暴虐であるということだ。」

ULTRA-VIOLENCEはイタリアはトリノ出身。平均年齢20歳という若さながら、そのサウンドはEXODUS、METALLICA、ONSLAUGHTといった黄金期のスラッシュ・メタルを貪欲に指向している。若手らしからぬ貫禄を備えたヘヴィなドラミングにドライヴィング・ベース、高速で展開するツイン・ギター・リフ…。「近年のリヴァイバル・ブームの中でも突出した存在として認識されること」(ロリス)を目標としているだけあって、単なる復古主義で完結しているわけではない。クラシックなものを一旦解体したところに、独自の流儀でデス/ブラック・メタルの要素を加え再構築した、ニュー・ウェイヴ・オヴ・スラッシュ・メタルと呼ぶべきサウンドこそが彼らの特徴だ。ファースト・アルバム発表の時点で既に日本の輸入盤市場でも注目を集めていたが、今作は、さらに全メタル・ファンに決定打を与えるであろう、強力な出来栄えとなった。

始まりは2009年の秋、同じ学校に通っていたロリスとアンドレア・ヴァキオッティ<g>の発案にロベルト・ディマーシ<b>が賛同したことで、この若きバンドは誕生した。その後同じくスクールメイトだったシモーネ・ヴェッレ<ds>が加入しラインナップが完成。メンバー全員が当時15歳という若さで、バンドを組むのは初めての経験だった。当初はFALLEN ANGELSなる名前で活動を始めたのだが、その名では自分達の音楽性を的確に表現しきれないと後に感じるようになり、ULTRA-VIOLENCEへと改めることになる。DEATH ANGELの名高きファースト・アルバムから名付けたものかと訊かれることが多いそうだが、これは先述の映画『時計じかけのオレンジ』へのトリビュートとして命名したものだ。劇中に登場する”ultra-violence”は原作者のアンソニー・バージェスによる造語であり、過剰または不当な暴力を意味する語句としてしばしば用いられる。メンバー全員が同作の大ファンであり、「暴虐」を自負する自分達の音楽性に通ずるものがあると判断したのだった。

結成当初はMETALLICA、ANTHRAX、MOTÖRHEADらのカヴァーを繰り返し練習していたが、そのルーティーンに次第に退屈を感じ始めたバンドは、トリノ近郊でのショウを終えたある夜、オリジナル・ナンバーの制作を決意。楽曲作りにはシモーネの家にある”Ultra-Room”と呼ばれるプライベート・スタジオが使われ、全員の共同作業によって着々と曲が書き上げられていった。2012年6月には初の5曲入りEP「Wildcrash」をイタリアの『Punishment 18 Records』を通してリリース。彼らは同作の制作にあたり、丸々一年かけてスタジオリ・ハーサルを繰り返し、幾度となく楽曲の見直しや特訓を続けたという。努力の甲斐あってレコーディングは難無く進み、僅か5日間で全てを録り終えてしまった。この「Wildcrash」の評判がアンダーグラウンド中に響き渡り、12月には元VENOMのメンバーによって結成されたメタル界の新たな伝説、MPIRE OF EVILがヘッドライナーを務める『Italian Assault 2012』出演の呼び声がかかることになる。なお以降、MPIRE OF EVILとは幾度と無く共演を重ねていくことになるのだった。

2013年には誰もが待ち望んだファースト・フル・アルバム「Privilege To Overcome」をリリース。アートワークを手掛けたのは、MEGADETH等を手掛けたことからメタル界では固定ファンも多いエド・レプカことエドワード・J・レプカだ。『時計じかけのオレンジ』をあしらったジャケットのインパクトの大きさも相まって、このアルバムの噂は世界中へと拡散していった。さらには2013年ベスト・アルバムという輝かしい評価をつけるウェブジンやファンジンも続出。なお10月には『Ride Across The Spain』と銘打ち、スペイン4都市を回るミニ・ツアーも断行している。

2014年5月に入ると、DERDIANがヘッドライナーを務めるイタリアのフェス、『Metal Possession Festival Ⅲ』に出演。6月から7月にかけては、CONDITION CRITICAL (US)、GAME OVER (IT)という同志を引き連れた『European Hazard Tour』を行うなど、イタリア国内はもとより遠征も精力的に重ねた。同ツアーではトリノ公演を皮切りに、オーストリア、ドイツ、オランダ、チェコ、スイス、ハンガリーを周回、全12公演が行われた。”Ultra-Maniacs”と呼ばれる彼らのフォロワーの熱は着実にヨーロッパ全土に伝染してゆき、その声援に応える形でバンドはセカンド・アルバム制作の為のスタジオ入りを決める。2014年末のことだった。

そうして満を持して出来上がったのが今作「Deflect The Flow」である。日本盤は来たる5月、ボーナス・トラックを加えSPIRITUAL BEASTよりリリースとなる。なおバンドは、5月にスイスにて開催されるフェス『Rock The Hell 2015』にPROPHECY、CARNAL DECAY、TRAITORらと共に出演。その一週間後には母国にて開催される『Metalitalia.com Festival』への参戦も決まっている。TESTAMENTとEXODUSが共同ヘッドライナーを務め、その他にFLESHGOD APPOCALYPSE、ONSLAUGHT、DARK LUNACYといった豪華な顔ぶれが集う、イタリアでも最大級のメタル・フェスの一つだ。平均年齢20歳という若さでそんなステージを踏む事が出来るというのだから、彼らの目前にはもう、メタル・スターダムへの階段がもう着実に準備されていることは疑いようが無い。

Website:
https://www.facebook.com/ultraviolencemetal