AIR RAID2017.04.15

Line-Up (L-R):
マグナス・マイルド (Guitars)
ロビン・ユトバル (Bass)
アンドレアス・ヨハンソン (Guitars)
フレドリック・ヴェルナー (Vocals)
ディヴィット・ハーマンズソン (Drums)

Discography:
2011 Demo
2012 Danger Ahead (EP)
2012 Night Of The Axe
2014 Point Of Impact
2017 Across The Line

Biography:
ENFORCERを筆頭に、「HR/HMへの真の情熱」を備え、80年代のヘヴィ・メタルに影響を受けたオールドスクーラーを多数輩出するスウェーデンから、2014年にセカンド・アルバム「Point Of Impact」にて日本デビューを飾った5人組が、前作から約3年振りに待望のニュー・アルバムを日本先行でリリース!首都ストックホルムと並んで数々の有力なメタル・バンドを多数生み出してきた港湾都市、イエテボリを根城にするこのバンドは、2013年に『JAPANESE ASSAULT FEST 13』に出演するために初来日し、その若さあふれるエネルギッシュなパフォーマンスと卓越したテクニックで多くのメタル・ファンを虜にすることに成功した。そして再び、今作をリリースした直後、『JAPANESE ASSAULT FEST 17』に出演するために再来日をすることが既に決定している。80’sメタルやオールドスクールのメタル・ファンであれば、新たにニュー・シンガーにフレドリック・ヴェルナーを迎えた、このAIR RAIDの快進撃から目を離すことは出来ないであろう!

始まりは2009年に遡る。ストームチャイルドこと、アンドレアス・ヨハンソン<g>とジョニー・ナイトシュレッダーこと、ヨハン・カールソン<g>の2人のギタリストによって結成されたAIR RAIDは、数回のメンバーチェンジを経てロブ・サンダーボルトこと、ロビン・ユトバル<b>、デイヴ・デストラクターこと、ディヴィット・ハーマンズソン<ds>からなるリズム隊、そしてギリシャのEVENT HORIZON Xなるバンドにも籍を置くミハリス・リナカキス<vo>をフロントマンに据え活動を開始した。(なお左記バンドは現在、ミハリスの実質的なソロ・プロジェクトになっている。) メイン・コンポーザーを務めるストームチャイルドは、「俺とジョニーは共にオールドスクール・メタルのファンだったから、AIR RAIDがそういったスタイルのバンドになることは明白だった。」と話す。

2011年になって、バンドは初のデモ楽曲2曲を発表。この直後に、アメリカ・カリフォルニア州を拠点とし、とりわけオールドスクール・サウンド・ファンの間で強勢を誇る『StormSpell Records』からアプローチを受けた。アンダーグラウンドでも好評を博しているレーベルだったこともあり、バンド側もすぐにオファーを快諾したという。こうして、続く2012年4月には先のデモ楽曲2曲を含む7曲入りのミニ・アルバム「Danger Ahead」を、さらに12月にはファースト・フルレンス・アルバム「Night Of The Axe」を同レーベルからリリース。これらの作品がメタル・ファンの間で話題となるのにそう長い時間はかからなかった。各地でソールド・アウトが続き、ここ日本でも多分に洩れず、早耳層がこぞって輸入盤を買い求めたため専門店でも品切れ状態となった。今では二作共に入手不可となっている。(なお2014年9月現在、再発の目処は立っていない。)まさしく破竹の勢いを見せた彼らは、続く2013年4月にはドイツにて開催された伝統的メタル・フェス『Keep It True』に参戦。LIEGE LORD、WARLORD、POSSESSED、ANGEL WITCHら古参のベテラン勢が揃い踏みする中、オールドスクール・スタイルの若き継承手としてオーディエンスに強烈なインパクトを残していった。その後も短期間のヨーロッパ・ツアーを行い、ドイツに加えてオランダ、ギリシャなどへ精力的に足を運んだ。

ところがその直後、全くの順風満帆に思えたAIR RAIDにも一大転機が訪れる。ヴォーカルのミハリスがバンドを去り、後任としてミハリスとは掛け離れた声質の持ち主であるアーサー・W・アンダーソンの加入が決まったのである。これはバンドにとっても決して容易な決断ではなかったと、ストームチャイルドは苦難の時を振り返った。「俺達は皆アーサーの声がとても好きだから、彼がヴォーカルになってくれて凄くエキサイトしているよ。前任のミハリスと活動を継続できなかった理由は、個人的な意見の相違や口論が大きくなっていたためだ。そんなことばかり続けている訳にはいかなかったし、まあ、なるべくしてなったようなものさ。ミハリスの歌には幾らかポール・ディアノ風なところがあった。アーサーはもっと高い声域を持っていて、ミハリスとは全く似つかないんだよ。『Night Of The Axe』は所々に少しだけACCEPTのような風合いがあったけれど、そうなった理由は彼の歌唱法によるところが大きかったね。」

バンドの第一印象を決定しかねないヴォーカリストの交代、という試練を経て再スタートを切った彼らは、新たにドイツのヘヴィ・メタル・レーベルである『High Roller Records』と契約を結んだ。母国スウェーデンにて若干数のギグをこなした後、同年11月には『Japanese Assault Fest 13』出演の為に早くも初来日。今ではオフィシャルSNSページ上でも日本人ファンとのやり取りを頻繁に公開するなど、確たるファン開拓を成功させた。「空襲」の意味を持つその名が示す通り、AIR RAIDは遠く離れたここ日本のメタルヘッズまでにも、大きな衝動と刺激をもたらしたのである。

セカンド・アルバム「Point Of Impact」は、アーサー加入後、かつレーベル移籍後の第一弾タイトルとなるもので、『SkullFest』などのフェス出演と並行して制作された意欲作だった。前二作から大きな進歩を遂げたと自らも手応えを認めるストームチャイルドは、以下のように続けた。「今回のアルバムは全体的によりメロディアスになったし、例えば『Night Of The Axe』なんかと比べると曲作りの面ではかなり向上したと思う。アーサーはよりハード・ロック風の声質だけでなく、雰囲気までをも持っているんだ。だから俺達が曲作りをする時にも、それが自然と反映されていくのさ。大部分は俺が曲を書き、ヴォーカルのメロディも考える。歌詞は俺とベーシストのロブの二人で書いているけどね。」
なお、このアルバムのジャケットを手掛けたのは、過去にAGENT STEEL、OMEN、ANVIL、NUCLEAR ASSAULTなど多数の作品に携わったことでも知られるエアブラシ・アーティスト、ジェラルド・マクラフリンだ。こうしてバンドの意図通り、サウンドといいアートワークといい、80’sへのオマージュが全面的に感じ取れる作風に仕上がった。

以前、「あなたが個人的にベストだと思う若手バンドは?」という質問に対し、STEELWINGやSKULL FIST、そしてAXXIONらの名前を挙げた上でさらに、ストームチャイルドは自らのバンドの存在意義をこう語っている。
「スウェーデンの中でもオールドスクールの真の信奉者というのは少数派で、若いバンドがそういったスタイルを演奏するのは決してポピュラーな事じゃない。オールドスクール・スタイルを掲げ持つバンドは決まって、スウェーデン以外の、たとえばドイツや南ヨーロッパ、日本といったところで、主なファンベースを築き上げているんだ。クラシックなサウンドを時代遅れだとみなすメディアもあるけれど、今やこのムーヴメントはアンダーグラウンド・シーンで日ごとに成長を続けている。願わくば、より多くの人たちが80’sメタルの素晴らしさを再発見する旅に向かうきっかけとなれたら、それは最高なことだよ!」

そして「Point Of Impact」の国内盤は、2014年11月、ボーナス・トラック1曲を加えてSPIRITUAL BEASTより発売された。その後バンドは、このアルバムに伴ういくつかのライヴを行い、2015年5月には、ドイツの『Rock Hard Festival』にKREATOR、OVERKILL、DORO等と出演した。その後、ギタリストのジョニー・ナイトシュレッダーがバンドを続けていく野心を失ってしまったことにより脱退。バンドは新しいギタリストにマグナス・マイルドを迎え入れ、ドイツの『RUHRPOTT METAL MEETING』に、ACCEPT、HAMMERFALL、AT THE GATES、SODOM、ALESTORM、ARMORED SAINT、VEKTORなどと共に出演する。翌2016年にはヨーロッパを10ヶ所をまわるツアーを行った。しかし、その後もバンドが精力的にギグを増やしていったことにより、シンガーのアーサーが、家族や子供達と一緒に過ごす時間がなくなったことを理由に、AIR RAIDの活動に専念することが出来なくなって離脱することになった。後任には、同じくスウェーデンのメロディック・ハード・ロック・バンド、OSUKARUの活動でも知られる、フレドリック・ヴェルナーが加入。そして、今回、過去最高作「Across The Line」が遂に日本先行でリリースされる!

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