ARMORY2017.04.15

Line-Up:
ピーター・ルッチョ (Keyboards)
トム・ヴィエラ (Live Drums)
ジョー・カーランド (Guitars, Drums)
チャド・フィッシャー (Guitars)
アダム・カーランド(Vocals)
トーマス・プレジオシ (Bass)

Discography:
2004 The Dawn Of Enlightenment
(demo)
2007 The Dawn Of Enlightenment
2013 Empyrean Realms

Biography:
アメリカはマサチューセッツ州タウンゼント出身のメロディック・パワー・メタル・バンド、ARMORYは、2001年夏、チャド・フィッシャー<g>とジョー・カーランド<g/ds>によって結成される。ヨーロッパのメロディック・パワー・メタルや80年代の伝統的なヘヴィ・メタルに多大な影響を受けた彼らは、エピックかつエネルギッシュで、メロディ主導のメタルをクリエイトすべく活動を開始する。数ヶ月の作曲作業を経て、デビュー・アルバム「The Dawn Of Enlightenment」に収録されることになる楽曲の母体となるものを仕上げた彼らは、同年後半にはヘヴィ・メタルに対する情熱を同じくするジョーの弟アダム<vo>とトーマス・プレジオシ<b>の2人の新メンバーを迎えた。

音楽は既に出来上っていたため、次なる任務は歌詞を書くことだった。哲学やファンタジー、冒険物語といったテーマを好むメンバーの嗜好により、歌詞もこういったテーマから採られた。ジョーも歌詞を書いたが、殆どはアダムおよびカーランド兄弟の長兄、ジェイソンの手によって書かれたものだった。しかしながら、自らのソングライティングや演奏に対して自己批判的な彼らは、その後約3年にわたって楽曲の書き直しおよび再レコーディングを行ない続ける。こうして2004年にようやくデモ・ヴァージョンの「The Dawn Of Enlightenment」が完成するが、プロフェッショナルなクオリティのアルバムを仕上げるにはレコーディング機材も知識も不足しており、かつアートワークも退屈でロゴもオリジナルではないと感じた彼らは、このヴァージョンを正式にリリースすることはなかった。

不屈の闘志を持つバンドは2005年に入り、プロフェッショナルなレコーディングを行なうことでバンドを新たなレベルに導くべく、ピーター・ルッチョをプロデューサーに迎えてデビュー・アルバムの再録を行なう。このジャンルの先駆者達に匹敵するプロダクションを手にすることで、デモの時点で既にプロフェッショナルなレベルに達していたソングライティングおよび演奏にふさわしい作品にするためだった。最後にもう一度ヴォーカル・メロディの見直しも行ない、デモではプログラミングされていたキーボードも今回は本物をピーターがプレイした。その後、彼の才能に感銘を受けたバンドは、ピーターをキーボーディストとして正式にバンドに迎えることになる。テキサス在住のイラストレーター、スティーヴ・ゴードが新たなアートワークを手掛け、ジョーの手による新しいロゴを採用したARMORYのデビュー・アルバム「The Dawn Of Enlightenment」は、新たにデモには入っていなかったIRON MAIDENの”Flight Of Icarus”とゲームソフト「ロックマン2」の楽曲のカヴァーを追加して、2007年末にリリースされた。

デモおよびアルバムのレコーディングではジョーがドラムもプレイしたものの、ツイン・ギターの編成でライヴができるよう、ライヴ用のドラマーを探し始めたバンドは、長年の知己でもあったトム・ヴィエラを迎えてラインナップを固めると、この6人の編成にて地元を中心にライヴ活動を開始する。自主制作にて発表されたものながらも、アルバムは世界各地で高い評価を獲得、ここ日本でも輸入盤市場を賑わせた。

また、2011年にはピーターのソロ・バンド、VOMITORONがアルバム「No NES For The Wicked」発表。「ゼルダの伝説」や「忍者外伝」、「悪魔城ドラキュラ」など、ファミコン(海外ではNESことNintendo Entertainment System)のゲーム音楽をメタルにアレンジしたインストゥルメンタル・カヴァーを収録したこのアルバムは、新たにジョーが立ち上げたレーベル『Metavania Music』からリリースされ、日本でも話題を呼んだ。

そういった活動の裏で、セカンド・アルバムのための曲づくりは、古くは2002年頃から入念に進められていた。楽曲の構成やコード進行、メロディなどを綿密に分析しながら、バンドは自らの武器であるソングライティング能力を磨き続けていった。個々の楽器がお互いを補いつつそれぞれが独立して印象的かつ興味深いものとなる、意味のある楽曲をクリエイトすることを目指し、前作同様チャドとジョーを中心に曲づくりは行なわれた。チャドがリフを書いて曲の土台をつくり、ジョーがアレンジとヴォーカル・メロディを手掛け、カーランド三兄弟が歌詞を書くという方法で楽曲は完成していく。ミックスとマスタリングは前作に引き続きピーターが担当、ドラムとキーボードのレコーディングも彼がエンジニアを担当したものの、今作ではジョーがプロデューサーの役を務め、ギター、ベース、ヴォーカルのレコーディングのエンジニアもジョーが手掛けた。こうしてまたも長い年月を要して完成した「Empyrean Realms」は、高い評価を受けたデビュー作と比較しても、曲とアレンジはよりダイナミックに、メロディは鮮やかになり、ヘッドバンギングを誘発するリフだけでなくプログレッシヴな要素も加わるなど、バンドの成熟具合を証明する作品となった。また、イギリス人のイラストレーター、ゲイリー・トングの手によるスペーシーなアートワークも、アルバムのイメージを伝えるのに貢献を果たしている。

結成以降今日に至るまで、ARMORYはまさに独立独歩の活動を続けて来たバンドだ。作曲から演奏、エンジニアリング、ミックス、マスタリング、プロデュース、資金、マネージメント、宣伝、アルバムのリリースに至るまで、すべてが完全にバンドのメンバー自身の手によって行なわれて来た。そして今、高い誇りを胸に、自らのメロディック・パワー・メタルに磨きをかけることに注力してきた妥協なきバンドが、日本市場への進出を目指し、初めてバンドにとって外部の存在であるレーベル、SPIRITUAL BEASTと手を組もうとしている。このコラボレーションによる第一弾作品、「Empyrean Realms」は、RIOTのカヴァーなど3曲のボーナス・トラックを追加収録して、2014年3月に日本発売される。

Websites:
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