Line-Up:
トーメック (Drums)
ヤニス (Bass)
スタヴロス (Guitars)
レフテリス (Vocals)
タナシス (Guitars)
Discography:
2010 Ear Piercing Thrash (Demo)
2012 Endless Violence (split w/Destructive)
2012 Ear Piercing Thrash
2015 Tormenting The Innocent
Biography:
ここ数年、世界中のマニア達からネオ・エクストリーム・メタル大国として注目され続けているギリシャはアテネ出身のスラッシュ・メタル・バンド、BIO-CANCERが、セカンド・アルバムを以て待望の日本デビューを果たす。
激走するブラスト・ビートにフックも兼ね備えた高速ギター・リフ、ブラック・メタルにも通ずる唯一無比の吐き捨て型ヴォーカルが一体となって強烈なアグレッションを生み出すこのバンドを、一度観聴きしたのであれば、忘れる事はまずないだろう。これだけ特異なオリジナリティを持つBIO-CANCERは、明らかに他とは一線を画す存在だ。
始まりは2010年の暮れ、ファストでアグレッシヴなスラッシュ・メタルを愛する4人の若者が集い、BIO-CANCERは結成された。当初のラインナップはレフテリス<vo>、ヤニス<b>、アントニス<g>、イオルゴス<ds>の4人。すぐさまオリジナル楽曲の制作に取り組むと、年明け早々には”Get Cancered… Now!”、”Backstabbed Again”、そして”Ear Piercing Thrash”の3曲をオンラインで公開。うち前2曲が新鋭スラッシャーを集めたコンピレーション・アルバム「Thrash Or Be Thrashed vol.2」に収録される。同作にはほかにFOG OF WAR (USA)、TOECUTTER (AUS)といった面々が名を連ねていた。
同年の初夏以降はライヴ活動も本格化させ、地元のフェスを含めた数々のイベント、ショウに精力的に出演。8月には、トルコはイスタンブールを拠点に活動していたスラッシュ・メタル・バンド、DESTRUCTIVE(現在は解散)とのスプリット盤「Endless Violence」を発表する。これはトルコのレーベル、『Coffinfeeder Distro』からのオファーにより実現したものだった。
水面下で制作されていたファースト・フルレンス・アルバムより、”Killing Habit”が先行公開されたのは2012年2月になってからのことだ。「Ear Piercing Thrash」と名付けられたこのアルバムは、ギリシャのレーベル『Athens Thrash Attack』より5月にリリースされる。ファースト・アルバムとは思えない楽曲クオリティの高さはさることながら、アンドレイ・ボウジコフ(VIOLATOR, MUNICIPAL WASTE, TOXIC HOLOCAUST, VEKTOR, etc.)によるB級然としたアートワークもメタル・マニアを虜にするには充分すぎる要素だった。それまでシーンからの認知度はほぼ皆無に等しい存在だったBIO-CANCERだが、「VIOLATOR+KREATOR=BIO-CANCER」とまでも評されたこのアルバムをきっかけに躍進の一路を辿ることになる。
リリースの直後には新ドラマーとしてTHE CRUCIFIERに在籍した経歴もあるトーメックを迎える。先述のアルバムの好評も相まって、10月にはONSLAUGHTのギリシャ公演のオープニング・アクトに同郷のEXARSISと共に抜擢されることになった。会場内の熱狂的なスラッシャー達は彼ら若手バンドを大いに歓迎し、公演は大盛況に終わる。
年末には「Ear Piercing Thrash」がギリシャ版『Metal Hammer』誌にて10点満点中9点という高得点をマーク。翌2013年には同誌主宰のMETALLICAトリビュート・アルバム「And Coverz for All」に”Dyers Eve”のカヴァーで参加した。かのFIREWINDやNIGHTRAGEのほか、CHRONOSPHERE、DEMOLITION TRAIN、FADOMといった新世代のホープも集結したこのアルバムは、国内外から大いに注目を集めた。この年には母国ギリシャを代表するバンド、ROTTING CHRISTのイスタンブール公演のサポート・アクトという大役を果たすほか、ルーマニアのフェスでARTILLERYがヘッドライナーを務めた『Romanian Thrash Metal Fest 2013』にも参戦した。なお、同年にギタリストのスタヴロスが新たに加入し、ツイン・ギター編成へと移行している。
2014年4月にはSODOMのギリシャ公演にサポート出演するなど、結成から僅か4年にしてギリシャのアンダーグラウンド・シーンを牽引する存在へと成長していた彼らは、イギリスの名門レーベル『Candlelight Records』と契約を締結。レーベルという強力な後ろ盾を獲得し、セカンド・アルバム「Tormenting The Innocent」の制作準備は万全となった。今回、ミックスとマスタリングはDESTRUCTION、BELPHEGOR、LEGION OF THE DAMNEDなどにも携わってきたアンディ・クラッセン、アートワークは前作と同じくアンドレイ・ボウジコフが担当。また全編通してひたすら激走していた前作から、今作ではスロウ、ミドル、ファストそれぞれのパートが巧妙に結びつけられ、聴き手側も一瞬たりとも気が抜けないスリリングな展開が連続している。さらにリード・パートは攻撃的かつスラッシーでありながら、かたやチェロの音色やホラー映画のサンプリング・パートを同時に取り入れるなど、劇的で変化に富んだ作風へと進化した。
「大まかなスタイルは前作と同じだよ。俺達は常にエクストリーム・メタルの流儀に拘ってきたから自然な流れだと思っているが、今回はかつて使ったことの無かったデス/ブラックを混ぜ合わせたようなタッチを挿し込んだり、楽曲それぞれに見合ったアイデンティティを与えることで、自分達のサウンドを進化させようと試みたんだ。『Ear Piercing Thrash』ではどの曲も同じようなテイストだったからね。」とはレフテリス本人の弁である。なお、アルバムのレコーディング後にギタリストのアントニスが脱退、後任にタナシスが加入している。
リリースに先駆けて、早くも世界各地のメディアが高評価を博している「Tormenting The Innocent」。本作から先行公開された”Bulletproof”のMVは、公開から約1週間で8,000ヴューを超えた。
彼らの待望のセカンド・アルバムの国内盤は、SPIRITUAL BEASTより2015年4月、ボーナス・トラックを加えてリリースされる。