DENNER/SHERMANN2017.04.14

Line-Up:
ショーン・ペック (Vocals)
マーク・グラボウスキー (Bass)
マイケル・デナー (Guitars)
スノーウィ・ショウ (Drums)
ハンク・シャーマン (Guitars)

Discography:
2015 Satan’s Tomb (EP)
2016 Masters Of Evil

Biography:
デンマークの伝説、MERCYFUL FATEのツイン・ギター・デュオ、マイケル・デナーとハンク・シャーマンがタッグを組んだDENNER/SHERMANNが、2015年リリースの4曲入りEP「Satan’s Tomb」に続き、待望のファースト・フルレンス・アルバム「Masters Of Evil」を完成させた。

マイケル・デナーとハンク・シャーマンの出会いは1970年代末に遡る。パンクのシーンに身を置いていたハンク・シャーマンは、1977年にBRATSを結成。コンピレーションに楽曲を提供した後、1979年にマイケル・デナーが加入、ここで2人は初めて出会うことになる。BRATSは翌1980年にアルバム「1980」をリリースするが、 紆余曲折を経てバンドは解散する。その後、ティミ・ハンセン<b>らとDANGER ZONEを結成したマイケルは、デモの制作に既にMERCYFUL FATEを結成していたハンクとキング・ダイアモンド<vo>に協力を要請、このことがMERCYFUL FATEのクラシックなラインナップの誕生へと繋がっていく。

EP「Mercyful Fate」(1982年)と「Melissa」(1983年)、「Don’t Break The Oath」(1984年)というヘヴィ・メタルの歴史に燦然と輝く2枚のアルバムを残してMERCYFUL FATEが解散すると、ハンクはFATEを結成して「Fate」(1984年)、「A Matter Of Attitude」(1986年)の2枚をリリース、マイケルはキング、ティミらとKING DIAMONDを結成、「Fatal Portrait」(1986年)、「Abigail」(1987年)の2枚に参加する。それぞれのバンドから2枚のアルバム発表後に脱退した2人は、1989年にはZOSERMEZで再びタッグを組んでアルバム「Vizier Of Wasteland」(1991年)をリリースすると、これがMERCYFUL FATE再結成へと繋がり、マイケルは1996年に脱退するまでに「In The Shadows」(1993年)、「Time」(1994年)、「Into The Unknown」(1996年)の3枚に、ハンクは上記に加え更に「Dead Again」(1998年)と「9」(1999年)に参加した。MERCYFUL FATEが活動を休止すると、2000年代に入り2人はMERCYFUL FATEのドラマー、ビャルネ・T・ホルムらとFORCE OF EVILを結成、「Force Of Evil」(2002年)、「Black Empire」(2005年)の2枚のアルバムをリリースする。

FORCE OF EVILの解散後、2人は別々の道を歩み、ハンクはFORBIDDENのクレイグ・ロシセーロ<g>、マーク・ヘルナンデス<ds>、CORRUPTIONのマーク・グラボウスキー<b>らと共にスラッシュ・メタル・バンド、DEMONICAを結成、2010年にアルバム「Demonstrous」をリリースした。その後2012年には、VOLBEATのツアー・ギタリストとして南北アメリカおよびヨーロッパにて74公演に参加する。ツアーが終了すると、DEMONICAのベーシスト、マーク(ここではヴォーカルも兼任)と共にSHERMANN TANKを結成、”The Bloodbath Begins”の映像を公開した。一方でマイケルはDENNERS TRICKBAGを結成、2013年に同名のアルバムを発表する。

そんな中、2013年には「Melissa」の、翌2014年には「Don’t Break The Oath」の、それぞれリリース30周年を祝い、2人で同作からのリフやソロをプレイする映像を公開すると、ファンから大きな反響を得ただけでなく、自らも多大なインスピレーションを受けた2人は、新たなバンドを結成することを決意。こうして、DENNER/SHERMANNが誕生する。ハンクは語る「それぞれのバンド、SHERMANN TANKとDENNERS TRICKBAGでプレイする傍ら、俺達は80年代初頭にMERCYFUL FATEで始まったコラボレーションを更に広げる機会を得たんだ」 そしてマイケルが続ける「また一緒にプレイしてもう一度あのツイン・ギターを実現させられることにエキサイトしているよ」

こうして誕生したバンドにまず加わったのは、ハンクとDEMONICA, SHERMANN TANKで活動を共にしたベーシスト、マーク・グラボウスキーだ。続いて、多くの明らかな観点から筋の通る唯一の候補としてドラマーに選ばれたのは、MERCYFUL FATEの再結成第一弾アルバム「In The Shadows」のレコーディング後にバンドに加入し、同アルバムのツアーから次のアルバム「Time」でマイケルとハンクと共にプレイ、その後DREAM EVILに参加した他、THERIONでは長きに亘りヴォーカルも務めたスノーウィ・ショウだ。シンガーには様々な候補に挙げられたが、最終的にはアメリカの正統派ヘヴィ・メタル・バンド、CAGEや、元MANOWARのギタリスト、ロス・ザ・ボスも参加するDEATHDEALERなどの活動で知られ、多彩なヴォーカルのスキルを誇るショーン・ペックに白羽の矢が立てられた。そしてバンドは『Metal Blade Records』との契約を果たす。

ハンク・シャーマンは語る「俺達はこの素晴らしいラインナップでソングライティングからレコーディングを進めてきていて、ファンは間違いなくダークでクラシックなヘヴィ・メタルを期待してくれていい。俺達が80年代初頭にクリエイトしたものの本質に立ち戻りたかったし、みんなが望んでいるだろうサウンドになるのは避けられないから、俺達の初期の作品のファンはとてもエキサイトするんじゃないかな」 マイケルが続ける「このラインナップでこれらの楽曲を作り上げたことで、俺のメタルの炎はかつてないほど熱く燃え盛ったよ! ファンには間違いなく気に入ってくれると思う」 更にハンクは「アルバムのミックスにはオールドスクールのフィーリングがあるから、有害なほどの爆音で再生すれば素晴らしく聴こえると思う」と語っている。

2015年10月、まずは4曲入りのEP「Satan’s Tomb」がリリースされた。アルバムのアートワークは、MERCYFUL FATEの「Melissa」、「Don’t Break The Oath」を手掛けたトーマス・ホルムの手によるものだ。バンドは休む間もなくフルレンス・アルバムのリリースに向けた作業を行う一方で、2016年4月には、地元コペンハーゲンの『High Voltage Club』にて、初のライヴを行う。スノーウィが自らのバンドのツアーの準備で参加出来なかったため、ドラマーにJBを迎えて行われたこのライヴでは、EPの全4曲の他、MERCYFUL FATEの名曲も演奏された。

そして遂にファースト・フルレンス・アルバム「Masters Of Evil」が完成する。8曲の新曲を収録したこのアルバムは、「Satan’s Tomb」のまさに続きになるものだ。EPで築かれた音楽的礎の上に構築された楽曲はヘヴィ・メタルの全範囲をカヴァーし、聴く者を最も鮮明で血塗られた悪夢でしか見られないような場所へと誘いながら、ダークで神秘的な物語が語られるミステリアスな旅路へと連れ出してくれるのだ。前作同様、スウェーデンはイェテボリの『Sound Industry Studio』でアーノルド・リンドベリがミックスを、ロサンゼルスでマオー・アッペルバウムがマスタリングを手掛けたこのアルバムのヴィンテージなサウンドは、2インチのテープ・マシーンが使われる暗いスタジオで長い時間を過ごし、巨大なコンソールが白熱灯の薄暗い明かりに輝いていた日々を思い起こさせるものだ。そしてアートワークも、前作同様トーマス・ホルムが手掛けた。

「『Satan’s Tomb』の後、インタビューに費やした短い期間を除き、俺達はアグレッシヴにソングライティングやレコーディングを継続した。結果にはとてもエキサイトしているよ」とハンクは語る。ヴォーカリストのショーンは「このアルバムには全てがあると俺は思う。ハンクやマイケルを含むメンバーとこのアルバムの制作をしたのは自分にとって究極のメタルな経験だった! ファンの反応を聞くのが待ちきれないね」とコメントする。そしてマイケルは、「このアルバムには俺達5人がバンドとして成長し、ソングライターとしての結束を強めたことが現れていると思う。ファンが俺達に期待するような楽曲が収録されているし、世界中のファンへのトリビュートのような役割を果たしてくれると思う。長年に亘るダイハードなファンの忠誠心には気づいているし感謝しているからね」と加えている。

オールド・ファンが期待するものを完全に満たし、マイケル・デナーとハンク・シャーマンの2人の音波のDNAからしか生まれ得ない、恐ろしく邪悪な新たな驚きをも注入されたこのアルバムは、2016年8月、EP「Satan’s Tomb」全曲をボーナス・トラックとして追加収録し、SPIRITUAL BEASTより日本リリースされる。なお、バンドはそれと前後して、7月には地元デンマークの『Metal Magic Festival』に出演することになっており、今後のライヴ活動からも眼が離せない。

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