SPEEDTRAP2017.04.14

Line-Up
ヤーッコ・ヒエタカンガス (Guitar)
ヴィレ・ヴァラヴオ (Guitar)
マーカス・ヒエタミエス (Drums)
アンティ・サルミネン (Bass)
ヨリ・サラ=アホ (Vocals)

Discography:
2008 Heavy Metal Raid – Demo 2008 (Demo)
2009 Raw Deal (EP)
2010 Speedtrap / Death With A Dagger (Split)
2013 Powerdose
2015 Straight Shooter (Single)
2015 Straight Shooter

Biography:
軽快に疾駆するスピーディな楽曲にホットな高音シャウト、ロックン・ロールのフレイヴァーを併せ持った飾り気無しの一貫したストレート・サウンドが反響を呼び、デビュー・フル・アルバムのリリース後に要注目株としてシーンから熱い視線を集めたフィンランド出身のSPEEDTRAP。その背後にEXCITER、RAZOR、MOTORHEADからDISCHARGEまで、幅広いバンド陣の影響を薫らせるサウンドは、より多くの人々に受け入れられて然るべき大いなるポテンシャルを秘めている。そしてここに、シーンが待ち望んでいた彼らのセカンド・アルバムが漸く到着した。

SPEEDTRAPは2007年、フィンランド南東部に位置するラッペーンランタで、ヨリ・サラ=アホ<vo>、ヴィレ・ヴァラヴオ<g>、ヴィレと共にスラッシュ・メタル・バンドPYROTOXICで活動していたマーカス・ヒエタミエス<b>の三名が骨格となり結成された。BLOOD MONEY, EXCITER, 初期RAZOR のようにファストなスタイルのヘヴィ・メタルをプレイしたいという意見で一致しシンガーを探し始めるが、これが中々上手く行かない。元々NAILGUNNER、DEATH TOLL 80Kといったバンドでドラムをプレイしていた生粋のドラマーであるヨリだが、難航するシンガー探しに痺れを切らすと、ついには自らマイクを握ることを決意。間もなくして、空いたドラムのポストにはミーカ・ケラネンが就くことになる。ヨリが子供時代に観て以来お気に入りだというカー・チェイス映画のタイトルに自らが指向する音楽性を重ね合わせ、バンドはSPEEDTRAPと命名されたのだった。

2008年8月に初の4曲入りデモ「Heavy Metal Raid」を制作。2009年には、EXCITERをオマージュしたジャケットが目を引く6曲入りEP「Raw Deal」を発表。哀愁漂うオールドスクール・サウンドがメタル・ファンの心を掴み、彗星の如く現れた期待の新人として、ここ日本にまでもその評判は飛来した。2010年には後にヴィレも参加することになるへヴィ・メタル/パンク・バンド、DEATH WITH A DAGGERとのスプリット盤を独『High Roller Records』からリリース。2011年に入ると、ヨリがドラマーとして、ヴィレがベーシストとして参加しているデス・メタル・バンド、DEATH TOLL 80Kのフルレンス・アルバムのリリースを経る。別バンドの活動が一段落し、SPEEDTRAPのアルバム制作に本腰を入れ始めた彼らは、レーベルとのディール交渉を見据えたデモ音源を年の暮れに制作。幾らかのレーベルからオファーが次いだというが、最終的には以前からコネクションを持っていた『Svart Records』と契約を交わすことになった。

バンドの名を一躍広めることになる契機は、2013年の夏に訪れた。ファースト・フルレンス・アルバム「Powerdose」の発表である。結成当初はスピード・メタルを実直にプレイしていたバンドだったが、ハイスピードなロックン・ロールやパンク/ハードコアのレンジまでをも貪欲に捉えた同作は、より幅広い層からの支持獲得を可能にし、ここ日本でも国内盤が好評を博した。80年代の先駆達への熱いリスペクトが込められ、しかし決して模倣だけには留まらないそのサウンドには、次世代を担う要たる自負が色濃く滲み出ていた。この「Powerdose」が、独『Rock Hard Magazine』で2013年ベスト・アルバムの一つに選出されるなど各方面から高い評価を得たことにより、バンドはこれまでのアンダーグラウンド中心の活動から、多彩なイヴェントやフェスへ引っ張りだこの若手有力株として活動の場を拡大していくことになる。

ファースト・アルバムにして完全なるキラー・タイトルとなった「Powerdose」のリリース以降、バンドの快進撃は目覚ましい勢いで展開した。それまでのショウ拠点はフィンランド国内だったが、2014年2月にはドイツはヴュルツブルグで開催される『Metal Assault Ⅳ』への出演が決定。RIOT、OMEN、SKYCLADらと共演を果たす。その直後にライプツィヒ、ベルリンでもショウを行い、本格的なヨーロッパ進出の幕が上がった。

ところが同年6月、ドラマーのミーカがバンドを離れることを決意。そこで今度は、ベーシストのマーカスがドラマーに就任する。元々FORCED KILL、PYROTOXICなどで活躍してきた敏腕ドラマーでもあった彼の実力はメンバーも熟知しており、この決断は自然な流れだった。加えて、新しいギタリストとしてヤーッコ・ヒエタカンガス(ex-RANGER)の加入が決定。ツイン・ギターを含む5人での新体制は、W.A.S.P.、BLACK DAHLIA MURDER、BEHEMOTH、SUICIDE SILENCEらが参戦したフィンランドの『Nummirock 2014』で初披露となった。なおこの頃、サポート・ベーシストとしてジョン・フィンネ(VORUM)が一時参加している。同月末には北欧でも最大規模のメタル・フェスの一つ、『Tuska Open Air Metal Festival 2014』に参戦。ANTHRAXをヘッドライナーに、EMPEROR、DIMMU BORGIR、CHILDREN OF BODOMらが名を連ねたこの会場でも、メンバー・チェンジやパート・チェンジといった激変をものともしない堂々たるパフォーマンスを見せつけた。8月にはDARK ANGEL、KING DIAMOND、LOUDNESSらと共にフィンランドの『Jalometalli Metal Music festival』に出演しており、さらにその翌日にはヘルシンキにてGIRLSCHOOLとの共演をも果たしている。

フェス・シーズンが一段落した9月になり、ドイツのDISMEMBERSとのカップリング・ショウを終えると、その時ライヴ・サポートを務めていたアンティ・サルミネン<b>が正式加入。アンティはフィンランドのデス/ドゥーム・メタル・バンドHOODED MENACEにて一時期ヨリと共にプレイしていた経緯を持つ。これまで内部体制において紆余曲折を経てきたバンドだが、パーマネントを前提としたラインナップが漸く出揃い、待望のニュー・アルバムの制作に着手することが出来た。前作リリースから僅か二年の間に数々のキャリア・バンドとの共演や国外でのショウを実現させ、着実に拡大している各地ファンベースからの期待を一身に背負う彼ら。「Straight Shooter」と名付けられたこのセカンド・アルバムからは、タイトル・トラックが2015年6月にシングルとして先行リリースされている。また同時期にはヴィレ、マーカスが参加しているハードロック・バンド、HARD ACTIONのリリースもあり、国内盤が注目を集めた。ホットな話題が相次ぐSPEEDTRAPだが、早くも2015年屈指の名盤になるのではないかとさえ噂される「Straight Shooter」の日本盤は、前述のシングルのB面に収録されていたBAD RELIGIONのカヴァー曲”I Want To Conquer The World”をボーナス・トラックに加えて2015年9月、SPIRITUAL BEASTよりリリース予定だ。2015年5月〜6月にかけては、キャリア初となる7ヶ国16都市にも及ぶヨーロッパ・ツアーも敢行しており、ますます活躍のフィールドを広げていくSPEEDTRAPの会心作。

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